彼女志願!
眼鏡を外した彼は、27歳の青年らしく、シャープで、どこか色気があって
ああ、やっぱり……
素敵だ。
初めて見た素顔に、トキメキやら混乱やら昂奮やらで、私はもう、卒倒寸前だった。
穂積さん。
ずっと、ずっと、憧れの人だった。
お茶が一緒に飲めたら
他愛もないおしゃべりができたら、どんなに素敵だろうって思ってた。
だけどね、こんなのおかしいよ。
担当だから作家の言うこと聞くなんて。
これは現実なの?
明晰な穂積さんがそんなこと考える?
信じられない。
もしかして私が見ている夢なんじゃないだろうか。
魔法でもかけられたみたいに、頭がクラクラし始める。