彼女志願!

「――僕はこの一週間ほど、自分の身を呪わしく思ったことはありません」



長いまつ毛が頬に影を作る。



やっぱり、なにかあったんだ。


確信した私。



「穂積さん……」



そっと手を伸ばし、彼の頬を挟むように支え持ち上げた。



「大丈夫ですよ。私がついています。だから思うように、してください」

「思うように?」

「ええ……迷ってるんでしょう?」






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