彼女志願!
あああ、穂積さんがなんだか責められてるよ……!
ハラハラする私をよそに、穂積さんはとても涼しい顔をし、相変わらず唇に微笑みすら浮かべている。
ここに座った時と同様、煙管に火をつける口にくわえると、一服。
それから軽く周囲を見回し、ビックリするような言葉を口にした。
「祖母のことはとりあえずおいといて……。母がここにいないのは、彼女の意思です」
「じゃが実の母親の葬儀に来んなんて……!」
「彼女が来たところで、焼香灰を投げつけるくらいのことしかしませんよ。余計なもめ事を増やすだけ、無駄というもの」
焼香灰を投げつけるって、穂積さんのお母さんどういうこと!?
穂積さんは隣で目を丸くしている私に向かって、クスッと笑う。
「気が合わないんですよ、親子なのにね……」
そして
「さて、来ましたよ」
と障子のほうに目を向けた。