彼女志願!
彼は疲れた様子で、いつものようにスーツの上着を脱ぎ、ハンガーにかけて、シャワーを浴びラフなコットンパンツとTシャツに着替えて出てくる。
「なにか食べますか?」
「いいえ。結構ですよ」
首を振ってソファーに腰を下ろした彼は、ふと顔をあげて苦虫でもかみつぶしたような表情で口を開いた。
「今夜、ちゃんと話すといいましたが、やっぱり聞きたいですか?」
「え?」
思わず目が点になった。
「穂積さん……」
「いや。すみません。言わなくちゃいけないとは思ってます。言わなかったから、萌をあやうく危ない目に合わせたわけだし……だけどね」
穂積さんは深くため息をつく。