彼女志願!
こうやってメモを取るのを習慣にしている作家は私だけじゃないだろう。
メモのほとんどは生かされないまま埋もれてしまうけれど
何かをきっかけにして化けることもある。
そうやって夢中で、子供が落書きするみたいに文字をかきつけていると
ローテーブルの上の携帯が振動している音が聞こえた。
「ん……?」
目線は手元のメモの上のまま
手を伸ばして携帯をつかみ、引き寄せる。
「はい、もしもし……」
『――凛先生』
「ほ、づみさん……?」
アキだと思ったのに聞こえてきたのは、低い声で――
思わず体を起こし、ソファーベッドの上で正座していた。