歩み続ければ
「―――あの」

「あん?」
新が後ろを振り向くとあの子がいた

「は、はい!」
俺はあらたまったように返事をし直し
少し彼女と目をそらして後ろを見た

(やべ、初めて話すかも
  俺顔あかくなってねぇよな.....)

「あのすいません
 これ机から落ちたけど新君のだよね?」

彼女の透き通った声をうかれ顔で聞いていた

「あの・・・・」

「はい!!
 あ、ごめん」

柚の困ったような顔が目に入り
やっと我に返った

「あ、ありがと!」

「いえ」


「里香のか...」
小さな声でぼそっとそう口にした

「里香?」

「あぁ、里香って俺の妹の名前で
 たぶん妹がこれを間違って、、、」
俺がそう答えると
彼女は突然笑顔になった

「新君妹さんいるの!?
  実は私も妹いるんだぁ♪
   まだ幼稚園に通ってるんだけどね」

「え、マジ!?
  俺の妹も幼稚園児なんだよ!!」
   
「ホント!?すごい奇遇だね!!」

「あ、そういえばこうやって話すの初めてじゃない?」

「そういえばそうだね」

「んじゃ、あらためて自己紹介
 俺の名前は五十嵐新
 7月29日生まれのしし座
 って、誕生日はいらないか」

「なんかすごい!!」

「え、なにが?」

「実は私も7月生まれでしし座なんだぁ」

「なんかすごい俺ら奇遇コンビだね!!」

「だね!!」

そう2人で話していると

キーンコーンカーンコーン
朝のホームルームを知らせるチャイムがなった

ガラッ
「ほら席に付け―」

いつも通りに
スカジャンで頭にはタオルを鉢巻のように巻いた服装で
五所川原Tが入ってきた

「んじゃ、ホームルームを始める」
そう言って五所川原は話し始めた



「なぁなぁ」

「あん?」

「お前さっき柚と結構いい感じで話してたじゃん」

「そ、そんなことねぇよ」

「マジいい感じだったぞ」

「え、なになに?」

「あ、遥
 今新が柚とめっちゃいい感じで話してたって言う話ししてる」

「あぁ
 うちも見た見た」

「よっお似合いさん!!」

「っるせぇ!」


「おいお前ら俺の話が聞けないって言うのかぁ」

『ヤベッ』
3人はそろって前を向いた

そんなこんなで先生は話をやめ
ホームルームは終った。。。

やっべ、俺恋愛運上がってきたかもっ






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