【★~僕の中になんかいるぞ、こんにちは挨拶をする僕はハチャメチャだな話~★】
 火燵の中でぬくぬくと温まっていると、毎年冬になるとやってくる彼女が今年も案の定やってきたのだった。
 
「今年は覚悟を決めてきました」
 
「どんな覚悟ですか?」
 
「お気づきでしょうが、実は私は雪の精なのです」
 
「全然、お気づきじゃなかったです。というか去年はインフルエンザの精でしたよね?」
 
「私は人間になりたいのです。そこであなたにキスをして頂きたい」
 
「無視ですか?そして論理の飛躍が見受けられます」
 
「愛する人のキスで、私は人間になれるのですッ!」
 
「あなたは僕が好きなんですか?」
 
「……なぜ、それを?」
 
「バカですか?」
 
「雪の精です。シベリアからきました。そういうあなたは……まさか恋の精!?」
 
「全然違います。とにかく寒いので扉を閉めてください」
 
「ダメです。溶けちゃいますから」
 
「んなアホな」
「私は雪の精ですよ?」
 
「今日は雪なんか降ってませんよ?」
 
「割とおーるらうんどなんですよ。マリテニで言うノコノコです」
 
「そうですか……でも自慢じゃないですが僕の唇はかなり熱いですよ?」
 
「なんと!」
 
「しかも抱きしめますから、絶対溶けます。保証します」
 
「きんきゅうじたいです?」
 
「やめますか?」
 
「望むところです!やー!」
 
「ホントに雪の精ですか?」
 
「……実は違うのです」
 
「なんですと?」
 
「本当は火燵の精なんです。是非、火燵の中であなたと熱いキスがしたい」
 
「……やれやれだ」
 
 
 こうして震える彼女は今年から僕の彼女になった。





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