ふたつ星
翌日、私達は小林さんのお墓参りに向かった。
地元の駅から電車とバスを乗り継いで小さな町までやって来た。
改札を出た所で雨が降り始めてくる。
「雨か……あいつに歓迎されてない感じだな」
悲しそうに呟く翔さん。
儚げな横顔を見ていると、胸がギュっとなった。
「傘、買っていきましょう」
駅前のコンビニでビニール傘を2本買うと、それを差して歩き出した。
どこか重い足取りの翔さんに、私は何も言えなかった。
話しかけてはいけない気がした。