ふたつ星


照れたように言う翔さんの言葉に今度は私が赤面してしまった。




もちろん、嬉しくて……。




「叶えましょう。私も翔さんと幸せになりたい」




翔さんは優しい笑顔で頷くと、坂道の途中で私を抱き寄せた。




「日向……好きだ」




「初めて名前呼んでくれましたね……」




それだけのことがとても嬉しくて、涙がこぼれる。



翔さんは私の涙を指先で拭ってくれた。



温かい指先で。



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