スイートルームの許婚
どうせ…また…眼鏡を外して、もう一人の愛斗が私の唇を塞ぐでしょ?



「・・・」

あれっ?
首を傾げたくなるノーリアクション。


座ろうとする私に椅子を引く愛斗。


私は椅子を腰を下ろす。



愛斗は口を一文字に結ぶ。

私のそばに控えて、直立不動で立つ。


その姿はまるで、マネキンのよう。



「何か言いなさいよ!」


「俺の仕事を理解出来ない…女とは付き合えない」


「ま、愛斗?」









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