新選組にタイムスリップ!?
私は気が乗らないまま、家を出て、部活へ向かった。
「じゃあ、頭から通すわよ!」
「「はいっ!」」
先生の号令とともに、全員配置につく。
そして、照明がつき演技が始まる。
「我ら新選組!御用改めてである!」
その掛け声と共に、学んだ殺陣を使う。
カンッ、カンッ
作り物の刀が交わる音。
(どうしよう…、集中できない…)
朝起きた事で頭がいっぱいな私は、演技に全然集中が出来ない。
「ストップ、ストップ!詩鶴、どうしたの?あなたらしく無いわよ?」
「すいません…」
先生は、溜息を吐くと私の肩に手を置いた。
「今日はいいから、少し休みなさい」
私は、はい、と小さく呟くと、演劇部を後にした。