手を伸ばせば、届く距離まで。



――――――



「ばいばいー」


華織は真樹に「一緒に帰れない」と言ったらしい。


なるべく真樹の帰宅とは、時間をずらして学校を出た。


そして今、楽しそうな華織が隣にいる。


少しだけ…


少しだけ、彼氏になった気分で、デートだと思ってもいいかな。


だって、華織が


手を伸ばせば、届く距離にいるんだ。



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