手を伸ばせば、届く距離まで。



俺は―――



「…分かった。真樹」



久野が、背中を押してくれた


耳元で「賭けがうまくいくのを祈ってる」などとも言った。


俺は、華織に向かって踏み出す。



その時、華織が口を開いた。



「―――あたしが一位になったから、一つ願いを聞いてくれない?」



また、予想だにしなかったこと。



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