手を伸ばせば、届く距離まで。



「ハンバーガー食べたいなあ…」


「あ!あたしも思ってた!じゃあ行こう行こう」


「え!?あ、えぇぇ…」


うわあ…すぐ俺の言葉、拾っちゃうんだから…


赤い夕陽が、沈もうとする。


華織は「夕陽に向かって走れえぇえ」などと叫んだ。


俺は…


繋がれた手が、今だけだということに、感傷に浸っていた。


好きだ。


遠いけど…大好きなんだよ。



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