手を伸ばせば、届く距離まで。



走ってきたこともあり、生徒はまだ来ていなかった。


息を必死に整え、イスに座り込む。


「はー、ハーッ。…圭、お前意外とイタズラ好きだな」


「ハー…はは、今気づいたのか?」


お互い目を合わせ、ニヤニヤと皮肉や嫌味を言い合う。


こんな熱い登校、初めてだ。


走ることも、おろかイタズラすることも久しぶりな気がする…。



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