手を伸ばせば、届く距離まで。



一番…近く。


「おっ、真樹はやいなぁ」


会話を絶たれるようにして、クラスメイトが教室に入って来た。


真樹と笑い合いながら話しはじめる。


俺は、真樹の言葉で頭がいっぱいだった。


『好きな人がいる』


華織に、好きな人が…?


「…聞いたこと、ない…」


相談を受けたことも、そんな話をほのめかされたこともない…。


華織…?



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