手を伸ばせば、届く距離まで。



しかし真樹は、晴れ晴れとして言ってのけた。



「俺は―――華織が好きだ!正直、何回も圭が離れるように祈った。
 俺だけを見て欲しかったから」



……………。


真樹も華織も、余韻にひたるように鼻をすする。


多分、恋人の時を思い出してるのでは、と思う。


だとしたら、俺は見守ろう。


口を出す権利も、邪魔を差すつもりもないから。



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