手を伸ばせば、届く距離まで。



となりで華織も息をのんだ。


売買、誘拐、犯罪…恐ろしい。痛感してるのだろう。


「どうです?構ってやりたくなかったでしょう?」


「…正直、めんどくさい子だと」


真樹が素直に答えた。


神崎はドッキリが成功したような顔で、綺麗に笑う。


「ありがとうございます」


お礼を言われても。



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