手を伸ばせば、届く距離まで。
――――――▼愛桜side.
こんな時、体力の無さが呪いたくなる。
短距離走では、7秒や13秒だった。
だけど体力は人一倍なかった
だから今、真樹の後輩である橘が死んだと聞いて、必死に駆けつけた。
真樹と毎日一緒で
なぜかあたしを応援してくれてた、あの『ッス』って人。
「はぁっ…ハァ…真樹―――ッ!」
橘の病室だったのはどこ?
もしかしたら真樹は、まだそこにいるかもしれない。