手を伸ばせば、届く距離まで。



耳を疑う。


そりゃそーだ。真樹がそんなこと申し出たのは初めて。


しかも…


「俺の、家?」


歩いて二分ほどのところに、華織の家があるんですけど。


「寝る家がないんだ。頼む」


…そういえば。


真樹の家庭環境を、俺はまったく知らない。


聞く権利もないと思ってる。


「良いよ。それと今日は、俺の友達も来るから」


久野のことだった。



< 95 / 557 >

この作品をシェア

pagetop