そしていつかの記憶より

5話

また、夢・・・?



講義中に寝てしまうのはいつものことだけれど、何だか今見た夢はいつもと違う気がしてならなかった。
よく見るのは事故の夢。あとは何の脈絡もない普通の夢。

でも今回見たのは、どこか懐かしいような、そんな記憶の奥底をくすぐるようなものだった。



(もしかして、昔の記憶・・なのかな・・・?)




でももう思い出せそうもない。
夢とはそういうものだ。

もややフィルターがかかったような、白っぽく不安定な映像──





────────そしていつかの記憶より。





「来ましたっ、フォーカードですっ」



手に持っていたカードを、少女はスラッと机に並べる。
Qのカードが4枚に、6のカードが1枚。


「うっわあああ、くそお、久しぶりにフルハウスになったっていうのに、のっちぃ恐るべし・・っ」
「・・・ドロップしといてよかった」
「引き際が肝心よねぇ~、ささくん3連敗ね」



今日のサークル活動はポーカーらしい。



たった今着たばかりなので、ささくんの活躍(?)は見れなかったが、相変わらず楽しそうだ。
ちなみに、サークルの新メンバーは乃架ちゃん以外は男の子らしいが、ほとんどが幽霊サークル員なのであまり顔は出さないみたい。



「いっちゃんもやる?俺抜けるけどぉ・・・」
「だから、朝野に押し付けるなって。」

「いつか先輩もやりましょう!ささ先輩かなり弱いですよ!」
「あっ、こら、のっちぃいらんこと言うなーっ」




進入部員の乃架ちゃんも馴染んできているみたいだ。






「うん、私もやろうかな!」

「そうこなくっちゃねぇ。ゲームは同じポーカーでいいかしら?」
「はいっ。いつか先輩にも負けませんよ!」
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