生まれ変わってもキミが好き【完結】
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「ええ? じゃあまだ日下に、あたしのことでしつこく問い詰められてんのか?」




学校近くのファミレス。

その窓際の席で、芽衣子は呆れたように聞いてきた。



放課後この店で、芽衣子の仕事が午後休みの日は、こうして一緒にお茶をするようになった。

過去の思い出話しをしたり、お互いの近況を報告し合ったり。


芽衣子と2人でいると、前世に戻ったように、錯覚することもある。



この時だけ、あたしはたぶん完全に

『柏木リン』になってると思う。




「うん。芽衣子が校門にいた日、すごく目立ってて噂になってたんだよね。それを『るいち』が聞いちゃったみたいでさ」


「にしても、毎日だろ? しつけーな。日下ってそんなしつこい男だったか?」


「あたしも、ちょと驚いてるんだよねぇ」




授業後、昼休み、放課後。

顔を合わせる度に問い詰めてくる日下先生を思い出しながら、ストローから息を吹き込んで、メロンソーダをぶくぶく泡立てたら、行儀が悪いって芽衣子に怒られた。

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