生まれ変わってもキミが好き【完結】


「しっかし、命日が誕生日になってたとはなあ。早く言えよ、そういうことは。
てっきり誕生日も前世と同じだと思ってたじゃねーか」


「だってあたしも今日になって気づいたんだもん。自分の誕生日だったって」




そして前世の自分の命日が、いまの自分の誕生日と同じだったことも、ここに来てようやく気付いたんだ。


つまりあたしは、死んだその日に、生まれ変わったんだなあ。

なんかそれって、なんていうか、最近勉強したような……。




「あ。諸行無常?」


「は? 消防出動? なに言ってんだリン」


「いやいや、諸行……うん。なんでもない」




使い方合ってるかわかんないし、いいや。


芽衣子は国語、苦手だったしね。




「ねえ、芽衣子。もうお墓参りとか、しなくていいよ? あたしはいま生きてるわけだし」


「まあ、変な感じはするけどな。でも墓参りは止めねーよ。
もう14、いや15年か。こんだけ続けてきたんだ。とっくに年間行事の1つだよ」


「遠足みたいに言わないでよー」




芽衣子がやりたいなら、止めはしないけどね。


でもこれから毎年、お参りする芽衣子も微妙な気持ちだろうなあ。

お参りする対象が、生きてピンピンしてるんだもん。

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