生まれ変わってもキミが好き【完結】
「大丈夫だって、任せとけ! リンにも着れるもの選ぶから。
デートとか、気合い入れなきゃなんねー時にでも、着てくれよ」
「……うん。ありがと、芽衣子」
きっと、『るいち』とのことを考えて、言ってくれたんだろうな。
でもたぶん、あたしが背伸びしても、あの同窓会の時みたいに、変な格好としか思われないと思うよ。
「さて、これからどうする? 芽衣子仕事休みなんだよね?」
まだ昼の2時前。
夜には家で誕生日パーティーするって、お母さんが言ってたから、それまでに帰れればいい。
「ちょっと寄りたいとこあんだ。付き合ってくれるか?」
「いいよ~。あ、芽衣子。ちょっと止まって」
「ん? なんだ?」
「写メ撮ろ! はい、チーズ!」
芽衣子の腕をがっちりつかんで、顔をすり合わせるように自撮りした。
うん、綺麗に撮れてるじゃん。
「なんだよ、いきなり?」
「えへへ。待ち受けにするんだ。これから、一緒にたくさん写真撮ろうね!」
「……ああ。そうだな。じゃ、次あたしのスマホで!」
いまのあたしには記憶だけで、芽衣子との思い出が形に残ってる物が1つもないことに気づいて。
それはちょっと寂しいから、せめてこれから写真くらいは、たくさん撮っていきたくなったんだ。