生まれ変わってもキミが好き【完結】
それから小学校の卒業アルバムとか見て盛り上がって、しばらくして、帰ることにした。
玄関先まで、お母さんたちが見送りに来てくれて。
なつかしいけど、もうここがあたしの帰る家じゃないんだって、寂しい気持ちになった。
「凛ちゃん、これ。たいしたものじゃないんだけど、良かったらもらって」
「え……なんですか?」
小さな紙袋を渡されて、戸惑う。
お母さんはニコニコ笑顔で答えた。
「ジンジャークッキーよ」
「え……」
「娘の好物でね。たくさん焼いたから。
凛ちゃん今日が誕生日なんでしょう? プレゼントっていうほどのものじゃないんだけど。お家の人と食べてくれたらうれしいわ」
うそ……ジンジャークッキー?
お母さんのジンジャークッキー、大好きだった。
よくおねだりして、作ってもらったっけ。
あのクッキーが、また食べられるなんて、思ってなかった。
「ありがとう……。大事に食べます」
泣きそうになったから、慌てて笑顔を作った。
うれしいよ、お母さん。
ありがとう。