生まれ変わってもキミが好き【完結】

それから小学校の卒業アルバムとか見て盛り上がって、しばらくして、帰ることにした。


玄関先まで、お母さんたちが見送りに来てくれて。

なつかしいけど、もうここがあたしの帰る家じゃないんだって、寂しい気持ちになった。




「凛ちゃん、これ。たいしたものじゃないんだけど、良かったらもらって」


「え……なんですか?」




小さな紙袋を渡されて、戸惑う。


お母さんはニコニコ笑顔で答えた。




「ジンジャークッキーよ」


「え……」


「娘の好物でね。たくさん焼いたから。
凛ちゃん今日が誕生日なんでしょう? プレゼントっていうほどのものじゃないんだけど。お家の人と食べてくれたらうれしいわ」




うそ……ジンジャークッキー?


お母さんのジンジャークッキー、大好きだった。

よくおねだりして、作ってもらったっけ。


あのクッキーが、また食べられるなんて、思ってなかった。




「ありがとう……。大事に食べます」




泣きそうになったから、慌てて笑顔を作った。



うれしいよ、お母さん。

ありがとう。


< 256 / 372 >

この作品をシェア

pagetop