生まれ変わってもキミが好き【完結】


「俺の方が似合うでしょ」


「は? なにが?」


「だから、銀髪。俺の方がかっこいいでしょ」


「……まさか、それが言いたいだけで、髪染めたの?」


「うん」




バカだ!

わかってたけど、とんでもないバカだ!



プロのミュージシャンと、そんなことで張り合ってどうするの。


あきれて言葉がみつかんないよ。




「はあ。そうだね、清春の方が似合ってるね」


「心がこもってない……」


「もー。ほら、しゃんとして! はやく歩く!」


「え~。そんなに早く学校行きたいなら、凛だけ先に行けばいいのに」


「そんなことしたら、あんたUターンして家帰って寝なおすじゃん!」


「しないしない。絶対しないから」




全然説得力がないよ!



あたしは仕方なく、清春の背中をぐいぐい押して歩く。

清春のペースに付き合ってたら、あたしまで遅刻しちゃうよ。



あたし頭は悪いけど、遅刻欠席は小学生の時からしたことないんだから。


人に誇れることがそれだけなんて悲しい、とか思ってないんだから。

< 41 / 372 >

この作品をシェア

pagetop