生まれ変わってもキミが好き【完結】
日下琉一へと真っすぐ向かう
矢印みたいな恋心。
『柏木リン』の、『るいち』に対する想いが強すぎて、怖くなる。
この14年、恋を知らなかったあたしが、いきなり淡く切ない恋心を知ってしまった。
前世の14年間、『柏木リン』が見てきた『るいち』を知ってしまった。
これはまずい。
非常にまずいよ。
だってあたしはいま小鳥遊凛だけど、『柏木リン』でもあった。
ってことは、そういうことじゃん。
そういうことになるってことじゃん。
「なんてこったい……」
頭を抱えたくなるって、こういうことか。
1つ学んだ。
小鳥遊凛は賢くなった。
でもさ、でもだよ?
前世で『るいち』を好きだったからって、生まれ変わってまた、好きになるとは限らないじゃん。
確かに『るいち』はイイ奴だったし、かっこよかったけど、いまは他人だもん。
幼なじみじゃないんだもん。
小鳥遊凛の幼なじみは、日下琉一じゃない。
矢代清春だ。
だから……大丈夫、だよね?