生まれ変わってもキミが好き【完結】
大丈夫、なのかな……?
いやいやいや、待て待て待てよ。
そういえばまだ確認できてないじゃん。
よみがえったこの記憶が、ねつ造されたものだとは、もう思わない。
でも日下先生が、本当にあの『るいち』かは、わからないよね。
同姓同名で、ちょっと似てるだけの、赤の他人かもしれないし!
あまりに低すぎる確率かもしれないけど!
SHRが終わってからも、そんな風に悩んでいたら、
あっという間に1限目の時間になってしまった。
ガラリと教室のドアを開けて、左目下の泣きぼくろが印象的な、新任教師が入ってくる。
女子が一瞬ざわついたけど、どうでもよかった。
ただ、目が離せない。
濃紺のネクタイを締めた、細身のスーツ姿。
少し横に流してセットされた、茶色の髪。
近寄りがたい雰囲気のある、整った顔。
その人が、一瞬あたしを見て、微笑んだ。
心臓を、わしづかみされた気がした。