インスピレーション
 そのうちの何頭かの牛たちが珍しい訪問者である結子の方に目を向けていた。
 こんなに多くの牛さんたちに見つめられるとなぜか恥かしくなった。

 結子が車の近くに戻って待っていると浅井が牛舎から戻ってきた。
「どうでした?」
「うん。大丈夫そうだ。注射1本打っておくよ」
浅井は大きな注射器に薬を吸うと牛舎の中へ消えて行った。




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