恋しても、愛しても、夢は見ないから
『そろそろ父の会社を
手伝う準備とか、色々ね。』
聖の口からそう聞いても
不安な気持ちは溢れてきた。
『…そんな顔するなよ。』
聖は困ったように笑いながら
小さい子供にするように私の頭を撫で回した。
『…時間ができたら一番に連絡するよ。』
……嘘。
『……いつでも一番に唯のことを想ってるよ。』
……嘘だ!
『…何かあったら必ず連絡するんだよ?
唯は僕の大切な
家族みたいなものだから…』