私と彼の一週間
お風呂に入ってた颯人。
急いで出てきたのか、髪がまだびしょびしょだった。



「ちゃんと乾かしてから来なさいよ
風邪ひくよ」



颯人からあタオルを奪って、頭を拭く。




「大丈夫だよ
俺強いから」




「そういうやつが、大体風邪ひくんだよ」





「ふーん・・・・・。
鈴ちゃん、お母さんみたいだね」





「お母さんになれそうもないけどね」





まず、結婚する相手がいないし。
私を好きになる人なんて、よっぽどの物好きだと思う。
世界中に可愛い子がいる中で私を選ぶなんて、よっぽどだと思うし。




「そういえば、さっきのニュース聞いた?
1人息子が家出して探してるんだって。平凡というか・・・いや、家族からしたら大切な子どもだから気持ちはわかるんだけど・・・まぁ息子さんも、親の気持ち考えずに出て行ったんでしょうねー」




「へぇ。
そんなに大切なら、自分が探せばいいのにね。警察なんか使わずにさ」



颯人は、それ以上何も言わなかった。

やっぱり颯人も家出したのかな?
だから、そんなに寂しそうな顔してるの?
さっきの息子さんも颯人も・・・・・親と仲良くできたらいいな。




「颯人さ、誕生日いつ?」



「なんで?」
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