私と彼の一週間
何人いるかと数えようとして振り返ると



「「4人です」」



颯人と奈川が同時に答えた。



「は、はい・・・
4名様、ご案内しまーす」



案内された席に座る。
私の隣には、颯人。
その向かい側に奈川と会社の上司さん。




「・・・・どうして奈川がここに?
全部、ちゃんと話して」




「わかってるよ」



それから、3時間くらいかけてすべてを話してもらった。
何故、奈川がここにいるのか。
何故、数年近く電話をかけてきていたのか。




「・・・・俺は、ただ三滝と話したかった。
でも、携帯電話の番号が変わってたら・・・・そう考えたらかけられなかった」





「それで、この人に協力してもらったの・・・?」




奈川の隣に座っている男性は、申し訳なさそうにしていて、目が合うと『すいませんでした・・・』と何度も謝る。



「この人は、三滝とは違う部で働いてる人で・・・・父親の旧友なんだ。
だから、協力してもらった」



・・・・それが本当だとして、どうして非通知で・・・・。
しかもずっとかけてくる必要があったの・・・?



「非通知の必要なんか・・・・・・」




「情けないね」
< 59 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop