ホストーカー 【完】
「…美麗ちゃんはホストとか、嫌い?」
私がコウさんの髪型をガンしすぎたせいなのか、そう聞かれた。
顔を少し傾け、上目遣いで私を見つめる
。
さすが、ホストと言ったところか。
か、かっこいい…。
誰かさんと違って私の目を長時間見つめてもにやつかないし、抱きしめたって来ないし、煩くないし。
「コウさんみたいなホストは嫌いじゃないです。」
"コウさんみたいな"をあえて強調して言った。
「そっか…、それは良かった。俺もね、美麗ちゃんみたいな偏見しないでくれる子好きだよ…」
好きだよ。
その言葉しか私には聞こえていなくって。
「本当、綺麗すぎて憎いくらいだよ…」
その言葉は聞こえていなかった。
「改めまして、これからよろしくね。」
「此方こそよろしくお願いします…!」
ーー新しい生活の幕開けだ。