ホストーカー 【完】
ドンドンドンーー
ドンドンドンーー
「麗羅、さっさと開けろよ!!」
「…うるさい。」
「あん?」
小さな声で言ったつもりなのに、ドアの向こう側に居る伸には聞こえてしまったらしい。
…地獄耳め。
「麗羅様、もう一時間もこの状態ですし、伸様をとりあえず一度中に居れてあげた方がよろしいかと。」
そして、レオは部屋を一通り見渡してから
「そうでないと、一生このままかもしれませんよ?」
「……」
レオがここまで言ってくるのも、珍しい。
…しょうがない。
俺は顎を使ってドアを指す。
つまりそれは開けろという意味のジェスチャー。
一礼して、レオが今まで固く閉ざされていた扉を開けた。
そして、それと共になだれ込む、伸。
「いってええ!いきなり開けんなよ!馬鹿!!」
「申し訳ございません。」
伸は、ぶつけたところを摩りながら立ち上がると目の前の光景に思わず絶句した。