ホストーカー 【完】
麗羅も、私も口が塞がらない状態で、
感情が一気に溢れ出すコウさんはもう…
止まらなかった。
ぎゅーっとまるで恋人の様に麗羅に抱きつく。
「麗さんっ、俺じゃダメですか!?」
「…」
麗羅、思わず苦笑い。
「俺、元々麗さんに一目惚れして、このクラブに入って、いつか絶対告白ししようと思ってて…そしたら、そしたら。」
コウさんと、麗羅越しに目が合う。
慌てて、目を逸らしたが
もう、嫌な予感しかしなかった。
「あの女が麗さんを横取りしたんですぅぅぅっ!!」
私の予感は当たり、コウさんは私を指差して泣き始めた。
「あの女はやめた方がいいですよぉ…」
とか…
「俺の方が麗さんを愛してますっ!」
とか…
終いには聞きたくもない麗羅との出会い編を聞かされた。
「とりあえず、俺を離してくれる…?」
「麗さんのお願いならしょうがないです。」
渋々、麗羅に回してた腕を解くコウさん。
「美麗ちゃん…なんか、コウが色々美麗ちゃんの事言ってたけど気にしないでね。」
そんなん言われても色々気にするわ…