ホストーカー 【完】
一日かけて沢山の乗り物に乗った。
ジェットコースターにお化け屋敷、本当に本当にたーっくさん。
夜になり、園内はライトアップされ雰囲気はガラリと変わった。
色々な色にライトアップされる園内には家族連れも段々と減り、カップル達で賑わう。
一旦休憩をしようと、俺達は城前に置かれたベンチに腰をかけた。
歩きつかれたのか、美麗ちゃんは暫くぼーっとただ前を見据えていた。
そして、10分くらい経ったのだろうか、アナウンスと同時に夜のパレードが始まった。
それはイルミネーションで飾られたカートにキャラクター達が乗って園内を回るものだった。
「…夢だったの。」
パレードの途中、美麗ちゃんはカートに乗ったキャラクターに時折手を振りながら口を開いた。
「…ゆ、め?」
「うん。ここに来るの小さい頃からの私の夢だった。
周りの子が家族で言った時の話を聞く度、テレビとかでの特集とかCMとか
そういうの聞いたり見たりする度にどんな所だろうとか
想像膨らませて…、ずっと行きたかったんだ。」
「何で…来」
れなかったの?って聞こうとしたけど、
その理由は美麗ちゃん自ら話してくれた。