spiral
「ハァ…ハァ…。」
誰もいない道を
俺はひたすら走っていた
閉じ籠ってたって始まらない
動かねぇと…何も変わらない
帰ってきた二人を、笑顔で迎えれるように
この町に、また笑顔が溢れるように
俺が今、出来ることは…
「?」
角を曲がった所で、俺は人影を捉えた
事件の影響で誰一人居なかった道に
ただ一人佇んでいるのは…
「…風?」
俺はすぐに駆け寄った
近づく度に明らかになっていく
「風!」
間違いない
風だ
「何だよ、帰ってきたなら連絡くらい…ーー?」