ルビゴンの河の先
『…わたくしを、責めないのですか?あなたのそばから重虎を奪った私を』
静かにそう聞いてくる得月院さんをその通り責めることなんて、私にはできない。
「だって竹中さんには戦国時代でなすべきことがある。…だから、病を治してあげたかったんじゃないですか?」
…私だって、得月院さんの立場なら同じことをしたかもしれない。
好きな人を助けたい。その気持ちは時代が違っても同じはずだから。
『わたくしは重虎がまだ幼いとき敵兵に捕らえられ殺されました。重虎になにもしてあげられなかった。…あなたの言うとおりです。重虎の望みを叶えてやりたい、ただの愚かな母の我が儘をあなたは許すのですね』