ルビゴンの河の先





小田原に到着し、本陣を構えたところで城から秀吉公に向けて一通の手紙が届いた。


それに目を通した公は俺と官兵衛を呼び、手紙の内容を告げる。
…なんだか胸騒ぎがした。






「―――城に侵入したくノ一を捕らえたとの報告が入った。…どちらか一旦城まで戻って、事を抑えてきてはくれないか?」


「…であれば、私が」


間髪入れずそう言う俺に官兵衛は大層驚く。



「お前さん、珍しいじゃないか!?いつもならそういう役目は俺に押しつけるのに」


「…胸騒ぎが」





< 107 / 144 >

この作品をシェア

pagetop