ルビゴンの河の先





そこまで遠くないはずの地下牢までの道がひどく遠く感じた。


見張り番の挨拶など聞いている暇などない。
階段を下りながら、何度も何度も頭をもたげる仮定をぬぐい去ることはできなくて。


ただ、今は。
一刻も早く女の入っている牢の前に向かうことだけを考えて。










「―――――あ、かり」


夜であることも相まってほとんど光の入らない暗い地下牢で、それでも彼女の周りは眩く輝いて見えた。


だらりと床に垂れた左手の、薬指に光る指輪。それがあかりが未来からやってきた証で。


俺は、泣きそうになった。





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