ルビゴンの河の先
目の前には、会いたくて会いたくてたまらない人の姿。
「あかり」
それだけ。
その言葉だけで、私の涙腺はあっけなく崩壊する。
「…竹中さん?」
しっかりとその顔を見たいのに、視界がかすんでよく見えない。
「あぁ、やっと目を覚ましたな。待ちくたびれた」
そう言って私の頬にその指を滑らせる。両手で私の頬を包むと、竹中さんはたまらなく優しい瞳で私を見つめる。
くすぐったくて照れくさくて、私は息もできない。
「会いたかった」