ルビゴンの河の先





「お初にお目にかかります、橘あかりと申します。この度は助けていただきありがとうございました」


上擦りながらもそう礼を述べるあかり。
しかしその姿を見て、秀吉公は大声で笑った。



「よいよい、半兵衛と話すように力を抜いて話せ。…しかし麗しい女子だな、半兵衛が惚れるものわかるわ」


「―――秀吉公!」


俺がそうたしなめると、さらににやりと笑う。



「わかったわかった、そう怒るな。まぁ我が家だとでも思ってくつろいでくれ。そのうち未来の話でもしてもらおうかな」


ご機嫌な秀吉公はこちらに近づいてくると、俺にそっと耳打ちをした。





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