ルビゴンの河の先
14. love -愛情-





「―――あ、あかり殿の調子がいいなら秀吉公に挨拶させるといいぞ。明日から公はしばらく城を空けるから」


あのあと、官兵衛がそう言ったことで秀吉公にあかりを挨拶させる機会が少ないことを思い出した俺はあかりを連れて公の執務室に向かった。










「秀吉公、半兵衛でございます。お時間よろしいでしょうか」


そう襖越しに声をかけると同時に襖が開き、満面の笑みで俺たちを迎える公と対面した。
がちがちに緊張しているあかりを座らせ、その横に座り姿勢を正すと、その様子をにこやかに見つめている公の姿。


…珍しいな、こんな秀吉公。





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