ルビゴンの河の先





微睡みの中でぼんやりと考えた。




―――俺が未来にいる意味、それを。


このような奇怪な体験までして病を癒して、戦乱の世に戻る意義。…為すべきことがまだ残っている、そう誰かが考えていたとしたら。


………神や仏などに縋りついた覚えもないが、そうとしか説明が付かない。


必ず生きて戻るのだ。




―――しかし、もう少しだけ。


もう少しだけ、この柔らかさに囚われていたい。



「………あかり」





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