ルビゴンの河の先
「…お前さん、戻ってきたかったか?」
一通り話をしたあと、官兵衛は躊躇いがちにそう聞いてきた。
「あ、当たり前だ!秀吉公の天下統一をこの手で手伝いたいと」
「そうじゃない」
俺の声を遮って畳みかける官兵衛の表情は真剣そのもので、なにも言えなくなった。
偶然ながら病を治したのだって、全ては秀吉公のためだ。そのためだと………
「―――未来に未練がないのなら、そのあかりという女を忘れてここで妻を娶れるのか?彼女を忘れられるのか?」
その刹那、官兵衛の言葉に心臓が射抜かれたような痛みが走った。