竜王様のお気に入り
「ヤヨイ。」


ハクリュウは繋がれた手を、しっかりと結び直して、ヤヨイを腕の中に引き入れた。


ハクリュウの体から放たれていた真珠色の光は、いつの間にかその姿を潜めていた。


「ヤヨイが心配するような事は、何もないよ。
大丈夫。
俺を信じていれば、それでいいから。
驚かせて、ごめんな。」


ヤヨイは、ハクリュウの優しい囁きを聞いても、まだ不安が拭えずにいた。


「だって・・・。
さっきのシリュウって綺麗な人。
王妃に迎えていただくって言ってたよ。」


「俺がそんなこと、するわけないだろ?
俺の隣で過ごしていいのは、ヤヨイだけなんだから。」


そう言うと、ハクリュウはヤヨイの柔らかな髪を一房すくって、優しく弄んだ。

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