竜王様のお気に入り
ワガママと苦悩
ハクリュウに背中を向けて、ヤヨイはいそいそと取ってもらった豪奢なドレスを身につけた。


細身だが健康的なヤヨイの体を包むそれは、ハクリュウの着ている物と同様の仕立てと色合いで、とても生け贄の人間が着ていいような代物ではない。


竜王陛下が自分の所有しているモノを与える事。


それは、竜王陛下にとっての特別を意味するのである。


歴代の巫女達の処遇を知らないヤヨイにとって、ハクリュウの全ての行動が、前代未聞の特別だという事は分からない。


ハクリュウの部屋で、竜王陛下と気さくに会話をしている事。


既にそれさえが、特別なのである。


その上ヤヨイは、竜王陛下に昔語りまでさせようとしていた。


おそれ多い事であった。

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