涙なあたしと笑顔なあなた


それでも俺は母さんに逆らうと俺もこうなるんじゃないかって思って1度も助けようとしなかった。

けど春はそんな俺を責めない。

"聖は可愛いあたしの弟"

そういって笑ってる。

ずっと笑ってる。

苦しそうな笑顔で。



「聖、お菓子食べたい」

春が唯一俺を頼って来るのは、お菓子。

全部バイトで生活している春はお菓子を買う余裕なんかない。



「何が食べたいの?」

「んー、アイス!!」

よし・・・。

「分かった」



俺がしてやれんのこれくらい・・・

って、リビングから取って来るだけだけど。


春はリビングに入るのすら許されてないからな。




< 32 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop