アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】
「今度の夏コミ行っていい?」
梅雨入りして少し経ったころ、夕飯を食べながらさりげなく切り出した。
「お義母さんが来てくれるならいいよ」と言ってくれた友樹は、買い物リスト作るから頼むなと笑う。
頷きながら、買い物いくと半日潰れちゃうなぁと思っていると
「時間なかったら無理しなくていいからな」
そう言われて、はっとした。
友樹がじーっと私を見つめている。
(顔に出ちゃったのかな)
慌てて、できる限り買ってくるね、と笑顔を作った。
それから数日経った夜、珍しく友樹から呼ばれた。
ぷう太達も寝ていたので、そっと友樹の部屋に向かう。
緊張する。
友樹とちゃんとできるんだろうか。
そんな気持ちでいる私を知る由もなく、久しぶりにしたくなったからと抱き寄せられる。
キスして、抱き合って、いつも通りに行為が進む。
はずだった。
友樹のものが宛てがわれて、中に入ってくる。
何も考えないように。
深呼吸しながら受け入れて。
入ってくる感触に耐えていると友樹が動きを止める。
「お前さ」
目の前で私を見据えて言った。
「浮気してない?」
「何…言ってるの?」
「ずっとしてないのに、なんでこんななの?」
そう言いながら揺らすように動かされて熱い液が溢れる。
「前はこんなじゃなかったじゃん」
「そんなこと、ないよ」
いいや、こんなじゃなかったと繰り返されて、深く入ってくる。
「新しく出たゲームやってたから感じやすいの」
それに久しぶりだから気持ちいいのと抱きついた。
「そっか」
それ以上のことは言わず、友樹は動き始めた。
(浮気……?)
その単語がぐるぐるまわる。
愚かな私は、今このときまで、自分がしていることが浮気だと認識していなかった。
あまりにも夢のような出来事が続いて、三神さんが愛してくれて、私も愛していて。
三神さんといる時は結婚していることを忘れて、普通に恋愛している感覚だった。
いや、違うよね。
認めてなかっただけ。
色んなゲームでもよくあるシチュエーションだもん。
夫がいるのに他の人を好きになるのは浮気っていうのよ。
頭はそんなことを考えているのに、体はどんどん反応して声がもれる。
ぷう太たちが起きたら嫌だったから、声が出ないように噛み締めていると
「声、我慢すんなよ」
友樹が耳元で囁く。
「こんな時間に吠えたら迷惑でしょ」
「吠えたら黙らせてくるよ」
冷たい言い方と視線に記憶が揺れる。
結婚して一番問題だったのは、友樹に切れる子供みたいな時があることだった。
ゲームをしていてコントローラーや物を投げたり壊したりして、その音にぷう太やモモが怯えていた。
繰り返し諌め続けたのもあって、レオ達が産まれてからはそういう行動がなくなっていたので、もう大丈夫だと思っていた。
でも、もしまた――。
考えたくなくて、もっとして、とねだってキスをした。
舌が絡んで、熱い吐息と唾液が混ざる。
――俺にしかするなよ
そう言われたのに。
あの人の声が聞こえる。
触れる肌も私を責める塊も、吐息も全部違う。
それでも感じてしまう自分が厭わしいのに、目を閉じると見えるのはあの人で。
心と身体がばらばらになっていくみたいで、早くこの時間が終わることを願うしかなかった。
梅雨入りして少し経ったころ、夕飯を食べながらさりげなく切り出した。
「お義母さんが来てくれるならいいよ」と言ってくれた友樹は、買い物リスト作るから頼むなと笑う。
頷きながら、買い物いくと半日潰れちゃうなぁと思っていると
「時間なかったら無理しなくていいからな」
そう言われて、はっとした。
友樹がじーっと私を見つめている。
(顔に出ちゃったのかな)
慌てて、できる限り買ってくるね、と笑顔を作った。
それから数日経った夜、珍しく友樹から呼ばれた。
ぷう太達も寝ていたので、そっと友樹の部屋に向かう。
緊張する。
友樹とちゃんとできるんだろうか。
そんな気持ちでいる私を知る由もなく、久しぶりにしたくなったからと抱き寄せられる。
キスして、抱き合って、いつも通りに行為が進む。
はずだった。
友樹のものが宛てがわれて、中に入ってくる。
何も考えないように。
深呼吸しながら受け入れて。
入ってくる感触に耐えていると友樹が動きを止める。
「お前さ」
目の前で私を見据えて言った。
「浮気してない?」
「何…言ってるの?」
「ずっとしてないのに、なんでこんななの?」
そう言いながら揺らすように動かされて熱い液が溢れる。
「前はこんなじゃなかったじゃん」
「そんなこと、ないよ」
いいや、こんなじゃなかったと繰り返されて、深く入ってくる。
「新しく出たゲームやってたから感じやすいの」
それに久しぶりだから気持ちいいのと抱きついた。
「そっか」
それ以上のことは言わず、友樹は動き始めた。
(浮気……?)
その単語がぐるぐるまわる。
愚かな私は、今このときまで、自分がしていることが浮気だと認識していなかった。
あまりにも夢のような出来事が続いて、三神さんが愛してくれて、私も愛していて。
三神さんといる時は結婚していることを忘れて、普通に恋愛している感覚だった。
いや、違うよね。
認めてなかっただけ。
色んなゲームでもよくあるシチュエーションだもん。
夫がいるのに他の人を好きになるのは浮気っていうのよ。
頭はそんなことを考えているのに、体はどんどん反応して声がもれる。
ぷう太たちが起きたら嫌だったから、声が出ないように噛み締めていると
「声、我慢すんなよ」
友樹が耳元で囁く。
「こんな時間に吠えたら迷惑でしょ」
「吠えたら黙らせてくるよ」
冷たい言い方と視線に記憶が揺れる。
結婚して一番問題だったのは、友樹に切れる子供みたいな時があることだった。
ゲームをしていてコントローラーや物を投げたり壊したりして、その音にぷう太やモモが怯えていた。
繰り返し諌め続けたのもあって、レオ達が産まれてからはそういう行動がなくなっていたので、もう大丈夫だと思っていた。
でも、もしまた――。
考えたくなくて、もっとして、とねだってキスをした。
舌が絡んで、熱い吐息と唾液が混ざる。
――俺にしかするなよ
そう言われたのに。
あの人の声が聞こえる。
触れる肌も私を責める塊も、吐息も全部違う。
それでも感じてしまう自分が厭わしいのに、目を閉じると見えるのはあの人で。
心と身体がばらばらになっていくみたいで、早くこの時間が終わることを願うしかなかった。