アラサーだって夢をみる

軽く食事をしながら、私はふと気になった。
私の事、いくつだと思ってるんだろ。
ずっと年下扱いされてるような気がするし。 

「あの、三神さん」

「何?」

「私の事、何歳くらいだと思ってるんですか?」

「俺と一緒くらいじゃないの?」

「う……」

その通りですけど。

「俺、見かけに騙されるほど馬鹿じゃないよ?」

この人、本当に一つしか違わないのかな。
凄い年上な感じがするなぁとため息をついていると
「他には?」と話しかけられた。

「え?」

「色々聞きたい事あるんじゃない?」

ある。

あり過ぎてどれを聞いたらいいかわからないくらいある。
もっと三神さんの事を知りたいから。
でも、まずは。

「何でも聞いていいよ」

「じゃあ、とりあえず確認したいんですけど」

「何?」

「三神さんってドSですよね」

ぶっと吹きだした後、三神さんは大笑いしている。

そんなに笑わなくても……。
真面目に聞いたのになあ。
笑い声も素敵だからいいけど……。

「俺も今日まで知らなかったんだけどね」

くすくす笑ってるし。 

「プロフィールに属性:ドSって追加しなきゃいけないなあ」

なんか嬉しそう。

「沙理のせいだよ」

ニコニコしながら三神さんは「責任取れよ?」と言った。


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